「外壁塗装で使われる塗料の種類が知りたい」、「塗料の選び方を知りたい」、「塗料の塗り方(工法)が知りたい」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか?

この記事では、外壁塗装で使われる塗料の種類、塗料の選び方、塗装工法の種類、外壁材の種類についてご紹介します。

外壁塗装で利用される材料や工法が気になる人は、ぜひ参考にしてください。

外装塗装には大きく分けて3つの種類がある

外壁塗装には大きく分けて、塗料、塗装工法、外壁材の3つの種類があります。

塗料は種類によって耐用年数や価格、特徴が異なるので、耐久性と価格のバランスを考えながら選びましょう。

塗装工法には、ローラー工法、刷毛工法、吹き付け工法などがあり、それぞれの塗装工法によって工期や費用、仕上がりが異なります。

外壁材にはモルタルとサイディングがあり価格や仕上がりに違いがありますが、様々な種類の模様や色を選ぶことができるサイディングが主流です。

外壁塗装を行うときには、この3種類を把握することが大切になります。

外装塗装の塗料の種類は?

外壁塗装の塗料にはアクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系の4つの種類があります。

現在よく使われているのは耐久性があり、コストパフォーマンスが高いシリコン系とフッ素系の塗料です。

アクリル系塗料は価格が安くDIYで利用する人が多いですが、耐久性が低いためプロの塗装業者はめったに使いません。

また、高級ではありますが機能が高い「光触媒・無機塗料」、「遮熱・断熱塗料(ガイナ)」も人気となっています。

光触媒・無機塗料は紫外線と雨で汚れを落とすため汚れが付きにくいのが特徴です。遮熱・断熱塗料(ガイナ)は夏の暑さを軽減し、冬は保温効果があります。

【塗料比較表】

塗料

耐用年数

価格(㎡)

特徴

アクリル系塗料

5-8

1,000-1,200

めったに利用されない

ウレタン系塗料

8-10

1,200-1800

ベランダ防水工事に利用される

シリコン系塗料

10-15

2,500-3,500

最も利用される。紫外線や汚れに強い

フッ素系塗料

12-20

3,500-4,500

大きな家で利用される。

光触媒・無機塗料

15-20

5,000-5,500

汚れが付きにくい

遮熱・断熱塗料

15-20

5,000-5,500

2度から3度の断熱・遮熱効果が期待できる

外装塗装の塗料の選び方はどうすべき?

塗料は種類が多いため、「どれを選べばいいか分からない」と感じる人も多いですよね。

こちらでは、外壁塗装で利用する塗料の選び方をご紹介します。

外装塗装の塗料の水性と油性の違いを知る

塗料を液体化するために水を使うものを水性塗料、水以外の薄め液(シンナー)を使うものを油性塗料と言います。

油性塗料はシンナーを使うため刺激臭があるのが特徴ですが、水性塗料よりも耐久性があり塗りやすいのが特徴です。

水性塗料は価格が安く保管しやすいですが、耐久性は油性塗料より低くなります。

外装塗装の1液型と2液型の違いを知る

塗料には1液型と2液型があります。

硬化剤が塗料に混ぜられた状態で売られている塗料を1液型といい、硬化剤が混ぜられていない塗料を2液型と言います。

1液型は硬化剤が含まれているのでそのまま使うことができますが、2液型は塗料と別に硬化剤を組み合わせて使う必要があります。

硬化剤と塗料を混ぜる必要のある2液型は混合比率によって効果が異なるため使用が難しいとされています。

コストを抑えるのであれば1液型、耐久性を重要視するなら2液型を選ぶのがいいでしょう。

1液型・2液型のメリットとデメリット】

種類

メリット

デメリット

1液型

・価格が安め

・余っても翌日以降再利用できる

・耐久性が低い

・保管しにくい

2液型

・耐久性が高い

・混ぜる前であれば保管しやすい

・価格が高め

・混ぜた後は再利用できない

外装塗装は艶ありと艶なしのどちらが良いのか

一般的な塗料は艶ありが多いので、艶なしにするためには艶消し剤を入れて光沢度を下げることになります。

ただ、艶消し剤を塗料に混ぜることで塗料の耐久性が落ちるため、特に塗装デザインのこだわりがなければ耐久性が高い艶ありを選ぶ方が無難です。

「マットな仕上げがいい」などデザインに強いこだわりがある場合は業者と相談しながら艶度合い(光沢度)を決めましょう。

外装塗装の下塗りの種類

下塗りには、「下地」と「中塗り・上塗り塗料」を密着させる働きがあります。

下塗りに使われる塗料は、プライマー、シーラー、フィラーの3種類です。

プライマーとシーラーは、さらさらとした液状で下地と中塗りや上塗り塗料を密着させてくれます。

この2つは名前の違いはありますが、大きな違いはありません。

フィラーはとろみがあり、プライマーやシーラーよりも厚く塗ることができます。

主に外壁のひび割れや凹凸を補修するときに使われます。

外装塗装の仕上げの種類

外壁塗装の仕上げとなるのが上塗りです。

上塗りの目的には「依頼者の求める色や艶を出すこと」や「遮熱性、防カビ性などで建物を保護すること」などがあります。

そのため、上塗り塗料には様々な種類があり、依頼者が必要とする機能・色・艶などの条件に合った塗料を選ぶことになります。

上塗りは建物の印象を決め、建物や外壁の耐久性を左右する重要な工程です。

手抜き工事を行うような業者に依頼してしまうと塗装をしてもすぐにひび割れしたり、期待していた機能(防カビや遮熱)などが発揮されない可能性があります。

業者を選ぶときには、「上塗りだけでなく、下塗りと中塗りもきちんと行っているか」、「工程ごとに塗料をしっかり乾燥させているか」などを確認しましょう。

外装塗装の塗り道具の種類

塗料を塗る際には主に刷毛、ローラー、スプレーの3種類の道具が使われています。

刷毛は昔から使われている手塗り用の道具で、隅や角の細かい塗装に使われます。

刷毛での塗装は職人の腕に左右されるので、現在はメインの道具としては使われません。

ローラーは刷毛よりも職人の腕に左右されないため、メインの道具として使用されています。

刷毛よりも広い範囲を一度に塗ることができ、狭い場所でも使うことが可能です。

スプレーの場合は、機材に塗料を入れ、塗料を霧状にして塗装します。

ムラができやすいため高い技術力が必要とされる道具です。

塗装するときには、どれか1つの道具を使うわけではなく、職人がそれぞれの道具を塗装する場所や工法、塗料によって使い分けます。

外装塗装の塗装工法の種類はどういったものがある?

外壁材がサイディングの場合はサイディングボードを張り合わせていくだけですが、外壁がモルタルの場合には職人が手作業で塗装をします。

手作業での塗装にはいくつか塗装工法があるので、こちらではローラー工法、刷毛工法、吹き付け工法についてご説明します。

ローラー工法

ローラー工法は、スポンジ状のマスチックローラーや毛状のウールローラーを使って塗装する方法で、現在主流の工法です。

ローラーの種類によって模様が変わり、刷毛よりも一度に塗ることができる面積が広く効率的に塗装を行うことが可能です。

刷毛工法

刷毛工法は、木やプラスチックの刷毛で行われる手塗り工法です。

平面塗装にも使われますが、隅や角の細かい部分の塗装に使われることが一般的です。

一度に塗ることができる面積が狭く、すべての塗装を刷毛工法にしてしまうと塗装に時間がかるため工期が伸び、費用がかさむケースが多くなります。

吹き付け工法

吹き付け工法では、スプレーガンという道具を使います。

スプレーガンに塗料を入れることで、塗料を霧状にして外壁に吹き付けることができるのです。

スプレーガンの種類によって立体感のある塗装や複雑な模様の塗装をすることができ、広範囲に塗装をすることができるので塗装スピードが速いのがメリットです。

ただ、霧状になった塗料が近隣に飛散したり、臭いが発生したりすることがあるため、養生や近隣への挨拶(説明)が必要となります。

外装塗装の外壁材の種類はどんなものがある?

外壁材にはモルタルとサイディングがあります。こちらでは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

モルタル

モルタルはセメントや石灰を砂と混ぜて水で練ったもので、職人が手作業で壁に塗りこんでいきます。

モルタルのメリットは、「比較的安いこと」、「パターン付けが現場で行われるのでデザインにこだわることができる」ことです。

デメリットとしては、「職人の技術に左右されること」、「ひび割れしやすいこと」があります。

サイディング

サイディングはセメントや木質などをボード状に整形した外壁材で、新築で主流の外壁材です。

一般的には整形した時点で色や模様がついているので、タイル調、木目調などの模様や好みの色を選ぶことができるのがメリットです。

サイディングのデメリットには、「既製の模様や色からしか選べないこと」、「樹脂系サイディングは高額になること」などがあげられます。

まとめ

外壁塗装は、塗料、塗装工法、外壁材などの要素から成り立っています。

塗料の種類、塗装工法の種類、外壁材の種類によって外壁の仕上がりに違いが出るため、自分の思い描いている外壁デザインや色を実現できるように、事前に業者としっかり相談をしましょう。